" かはかぜの めでたき三社まつりかな " 墨堤の千本桜に、早や新緑に輝く若葉が目につく頃、江戸の華、そして雅、そして粋を今に伝える、新門七代目・杉林仁一氏の(社)江戸消防記念会第五區三番組組頭の襲名披露が盛大に行われた。 言わずもがな、江戸の伝統・文化を色濃く伝える浅草では、今年に入り、江戸を彷彿とさせる、父祖伝来の名跡を継ぐ慶事が続いた。中村勘三郎、林家正蔵、そして新門と。
鯉のぼりが、空高く舞う姿を見るにつけ、五月場所の新番付を見るにつけ、嫌が上にも天下に轟く「三社祭」の到来を告げる風物詩であることは、浅草っ子にとっては周知のこと。いくつになっても、とはよく言ったものだが、もう既に指折り数える間近に迫ってきている。仕事が手につかず、腰がうわつき、ソワソワしているご同輩は数知れず。