エンコのーと
浅草で生まれ育ち、または、祭りと人が好きな方に書いて頂いてます。

第 2 回
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第 三 回

 " かはかぜの めでたき三社まつりかな "

 墨堤の千本桜に、早や新緑に輝く若葉が目につく頃、江戸の華、そして雅、そして粋を今に伝える、新門七代目・杉林仁一氏の(社)江戸消防記念会第五區三番組組頭の襲名披露が盛大に行われた。
 言わずもがな、江戸の伝統・文化を色濃く伝える浅草では、今年に入り、江戸を彷彿とさせる、父祖伝来の名跡を継ぐ慶事が続いた。中村勘三郎、林家正蔵、そして新門と。


 鯉のぼりが、空高く舞う姿を見るにつけ、五月場所の新番付を見るにつけ、嫌が上にも天下に轟く「三社祭」の到来を告げる風物詩であることは、浅草っ子にとっては周知のこと。いくつになっても、とはよく言ったものだが、もう既に指折り数える間近に迫ってきている。仕事が手につかず、腰がうわつき、ソワソワしているご同輩は数知れず。


 「三社祭」が終わると、すぐ来年の「三社祭」の話が始まると言われるが、今年の「三社祭」ほどそれが如実に感じられたのは、近年にないこと。それだけ年々エスカレートする「三社祭」の華、宮出しに関連し、関係者はもとより、警備当局が頭を悩ましている。今年も数々の話題を既に振りまきながら「三社祭」は、5月19日の本社神輿神霊入れの儀から、同23日の直会までの日程で斎行される。まずは、見てのお楽しみか、はたまた参加してのお楽しみか。
 さて、めでたき三社まつりかなと、いきますやら!?