エンコのーと
浅草で生まれ育ち、または、祭りと人が好きな方に書いて頂いてます。

第 3 回
第 1 回
  

第 二 回

 平成16年5月16日午後9時49分、浅草神社本社三之宮が庫入れを完了。
 三番組組頭の木で威勢良く三社締めを行い、今年の例大祭・三社祭は事実上幕を閉じた。その瞬間、誰の耳にも、あの喧噪を残しながら、脱力感が漂い始める。それだけ、浅草っ子はもとより、氏子以外のお祭りファン誰をも魅了してやまない三社祭の威大さたる所以の成せるものだろう。そして、指折り数えながら、あと365日後の来年の三社祭を待ちこがれる。

 20分間1町30人という制約の中、氏子宮出しが実現して2年。大きな三社祭の歴史的転換点を迎え、東、西、南部と一巡した今年、それはまた様々な視点から来年に向け新たな出発点ともなった。
 "自己責任"と"氏子による氏神様のお祭り"という原則のもとで、三社祭はどうあるべきか、まさに"三社祭は永遠である"と言わざるを得ない。
 久しぶりに日曜日丸1日断続的な雨に見舞われた。"江戸浦"の河口、宮戸川(隅田川)から聖観世音菩薩像が感得されことで、水に関係するからと、三社祭と雨は、縁?のあるものとされるが、それだけではあるまい。現世の芥を流し新たな歴史を塗り替えようとの戒めの雨であり、また、人その興奮を鎮める恵みの雨だったのかも知れない。

   "妓が走る 三社祭の宵の雨"

 打ち水された路地裏に競いて立つ植木市。みちびき花の辻商店会(柳通り)を歩きながら、見番に差しかかった時、そう言えば、今年の宵は雨がなかったなあ…と。
 雨はまた、三社祭の情緒を盛り上げる、重要な要素ともなっている。